都市伝説をテーマにしたクトゥルフ。
あらすじ
探索者たちは、電車に乗っている。午後の暖かな日差しの中ごとごとと揺られ、つい、睡魔に負けて心地よい微睡の中へと落ちていく。
……それが、悪夢の始まりになるとも知らずに。
概要
探索者たちが迷い込むのは、ニャルラトホテプの用意した仮想空間「きさらぎ駅」である。この空間から抜け出す方法はただ一つ、駅から出て町はずれのトンネルを「振り返らずに」出ること。そうすれば探索者たちは夢からさめて、現実世界に戻ることができるだろう。
できれば、の話だが。
■技能ロール
■SANチェック
■KP用情報
推奨技能
<目星><聞き耳><忍び歩き>
誰か1人は<説得>
戦闘は展開によるので、戦闘技能を取るのもよい。
導入
探索者たちは10両編成の電車の、5両目に乗っている。グリーン車はないものとする。
平日午後の電車だ。日差しも温度も申し分なく快適で、心地よく、引き込まれるように眠りについた。
そして、目を開けるとそこは――夕暮れの、すたれた無人駅だった。
○見渡すと車内には→探索者たちのみがいる。ほかに人影はない……少なくとも、この車両には。
○ドアは→何かの力が働いているかのように、しまっている。開けることはできない。窓を割ることもできない。
○ほかの車両にはいくことができる。
*移動する前に
■聞き耳→1両目の方向からかすかな物音がする。ずるずると何かを引きずるような音、ぐちゃりと何かをつぶすような音だ。
■さらにアイデア→成功したら、その音が「生物をつぶす音」に似ていると気づく。静かな空間にかすか聞こえたその音の不気味さに、SANチェック0/1
■目星→窓の外に「きさらぎ」と書いてある駅の案内板がある。どうやらここは「きさらぎ駅」というらしい。
■成功者は知識→成功で「この路線沿線にそのような名前の駅は存在しない」ことを知っている。存在しないはずの駅に電車が泊まっているという不気味な現実に、SANチェック0/1
■もしもオカルトで振りたい場合→都市伝説でそのような駅の話を聞いたことがある。<オカルト>は推奨技能ではないが、趣味で技能を持っている人がいる場合は振ってもらうのもよい。
得られる情報は、
・日本に「きさらぎ駅」という名前の駅は存在しない。
・駅から出ると太鼓と鈴の音が迫ってくるらしい。
・線路沿いに歩いていくとトンネルにたどり着く。
・都市伝説では、そのトンネルを抜けた迷い人は、その後消息を絶っている。
現在地5両目から、移動しますか?
4両目方面(音がする方)へ向かうか、6両目方面(音がしないほう)に進むかを選べる。
○4両目方面に移動する場合
○4両目
■目星→誰かの荷物が見つかる。オカルト雑誌から「きさらぎ駅」の情報が拾える。どうやらこの路線にまつわる都市伝説のようだ。掲示板に逐一報告しながら進んでいたため、一人目の報告者の取った行動については詳しく書いて有る。
「迷い人はきさらぎ駅で降りた。太鼓と鈴の音に怯え、遠ざかろうと歩いた」
「どう見ても生きているとは思えない片足の男に遭遇した」
「逃げるため更に歩くとトンネルに行き当たった」
「トンネルを出ると車が待っていて、そこから出てきた人が送ってくれるというので車に乗ったのだが、運転手はだんだん無口になっていき、車は山奥へと入っていく。そこで、電池切れのため掲示板へ書き込めなくなった迷い人は、それ以降の消息を絶っている」
雑誌では駅から出てトンネルをくぐるとあの世に連れて行かれる、と書いてあるが、その部分に赤ペンが引いてあり、「本当に?」と書き込みがある。
同じページにメモもはさまれている。
「2人目の報告者は、トンネルをくぐって外に出た。違いは何か?」
■幸運で判定→成功した人数分、マスクを入手
■聞き耳→ずりずりと何かを引きずるような音はさっきより近くなっているが、すぐ隣というわけではなさそうだ。
3両目への扉は開け放たれているが、人影は4両目からは見えない。
○3両目
■目星するまでもなく、さらに誰かの荷物が2つ見つかる。
・女性用のショルダーバック
メモ帳や化粧道具などがしまわれている。救急セットから包帯を入手(お面が足りない場合の代用品。もしくは応急処置用に利用してもいい)
・男性のものと思われるビジネスバッグ
都市伝説の噂をまとめているブログの記事が印刷されている。きさらぎ駅についての記事ではない。
*ここで情報提示
「異世界に迷い込んだとき、そちらの世界の住人に、顔を見られてはいけない。そちらの世界の食べ物を食べてもいけない。名前を教えてもいけない」
○3両目
入ると同時に、重苦しい威圧感を感じる。
■アイデア→かすかに立ち込めているにおいが血の匂いであることに気付いてしまう。SANチェック0/1d2
■聞き耳→ずりずりと動く音は2両目から聞こえる。同時にくちゃくちゃと生肉を食べるような不気味な咀嚼音が聞こえてきた。
■アイデアと聞き耳両方に成功した探索者は、血を流す生物が、隣の車両でむさぼり食われる様を想像してしまう。SANチェック0/1d2
この車両は目星しても何も出ない。
○2両目
行こうとする探索者がいる場合、扉はしまっているので覗くか開けるかを尋ねる。
・開けると答えた場合→巨大な触手が探索者に攻撃を仕掛けてくる。探索者は回避を振ってもよい。ダメ―ジは1d8+DB
☆神話生物(アブホースの落とし子)人間食べるよ!
STR:19 CON:28 SIZ:19 DEX:5 APP:14
INT:10 EDU:15 POW:30
HP:24 MP:31 DB:1d6
硬質化した触手:90% 1d8+DB
*装甲:物理無効(ダメージを与えるには魔術か魔力を付与した武器が必要)
*KPはこの場面から、化け物もしくはこちらの住人たち(アキエを含む)の前で「本名」を呼ばれたPCが居た場合、チェックしておくこと。
■探索者が奇襲された場合→先頭の人物は神話生物を目撃+攻撃された恐怖により、1/1d10のSANチェック
その光景を目撃したほかの探索者は、突如人間が触手に攻撃されると言う、ありえない光景に1/1d5のSANチェック
もしそれでも2両目を覗きこもうとする探索者がいた場合、アブホースの落とし子を目撃したため1/1d8のSANチェック
○この神話生物とは、術の施された刃物などの武器がなければ戦うことはできない。
*よほどのことがない限り、戦闘は避けるのが無難。触手攻撃は80%で1d8+DB。
ほとんどの場合、ここから逃げ帰ることを探索者は選択するだろう。足が遅いため、走って逃げるのならばすぐに追いつかれることはない。
○6両目へ
■目星→乗客の落とし物である、新品の、顔の半分を覆うマスクを手に入れる。クリティカルを出した場合、サングラスも入手してよい。
大体ここで人数分のマスクを用意する。
○7両目
扉を開くと同時に、そこに眠っている一人の青年を見つけることができるだろう。
NPC 時任 正樹(27)
STR:13 CON:12 DEX:7 SIZ:11
APP:13 POW:10 INT:12 EDU:21
HP:12 MP:10 アイデア:60 幸運:50 知識:105
SAN:40(前回迷い込んだ際に10減っている)
組み付き55% 精神分析75% 目星65% 信用65%
説得60% 医学60% オカルト75% 心理学60%
回避54% 隠れる60% 投擲55%
クトゥルフ神話10%
*秘密「時任は、以前きさらぎ駅に迷い込んで一緒に来た恋人が現地の食べ物を食べてしまったために、一緒に戻ることができなかった。以来彼はもう一度ここに来る方法を探し、二度目迷い込んだ。彼は元の世界に戻る方法を知っているが、自暴自棄になっており、探索者たちにその方法を教える気はない。
*オカルトを科学的に研究しているうちに、不可思議な体験をして精神的に狂った人々と接し、カウンセラーに。
*彼にもと世界に戻る方法を教えてもらう条件は、
1:友好的に接する
2:恋人である「アキエ」さんを見つけ、彼に教える
以上の二点。しかし「アキエ」さんは駅にはいない。時任を放置しても、外に出るチャンスはある。
彼は探索者たちを見て「やあ、君たちも迷い込んだようだね」と気さくに声をかけてくる。だが、探索者たちと一緒に行動は取らない。その後何度か接触はする。
時任「ここはきさらぎ駅だ。知らないのか?結構有名な都市伝説だぜ」
時任「俺はちょっと調べたいんだ。何、対処法なら心得ているさ」
時任「大きめのマスクとかお面とか、布かぶってもいい。とにかく顔を一部隠しておけば、うろつくのもそれほど怖くない」
時任「俺は残念だが一緒にはいけないよ。人を探してる。一緒に来た恋人を……アキエを探さないと」
■心理学→彼はここに来たことがあるのではないか。隠し事をしているのではないか、と思う。しかし言及する前に、時任は「俺は先に行くよ、じゃあな、幸運を祈る」と逃げるように去る。追いかけられない。
■時任のいなくなった車両に目星をするなら、時任と女性の映った写真を入手する。(裏書:アキエと)
○8両目
■アイデア→成功すれば、どこからか風が吹いてくるのがわかるだろう。9両目へ続く扉はあいている。
■聞き耳→1両目方向から、パリンと窓が割れる音が聞こえてくる。続いて何かを放り投げたような、ドスンという音も。しかし窓は開かないので、何が投げ捨てられたのかはわからない。
○9両目
ここの扉は、何かが挟まっているため、完全に閉まっていない。STR10以上の成人男性がいれば難なくあく。外に出られる。
■目星→10両目に続く扉は、何かにふさがれているようでガラスには布がかけられている。よくよく見ると、それはスーツの生地に似ている。
■聞き耳→また、かすかにずるずるという音が聞こえ始める。遠いが「何か」がこちらに向かって移動しているようだ。
*10両目に無理やり行く場合、窓をふさいでいたスーツの記事は、車掌のものであり、開けると同時に脳を食べられたグロテスクな車掌の死体が落下するだろう。1/1d4+1のSANチェック
10両目は血に染んでいるが、めぼしいものは何もない。
○外(マスクなどをしているか確認して)
廃れた駅に出る。看板以外にはめぼしいものもない。
周囲を見渡せば、駅から着物姿の片足の男が現れ、1両目方向へとふらふら歩いて行く姿を見ることができる。
この時、マスクをしていない探索者は片足の男と目があい、ニヤリと笑いかけられる。(KPは目があった探索者をチェックしておくこと)
■この男のあとをついていくと、車外に放り投げられた人間の頭部を持ち去る場面を目撃する0/1d3のSANチェック
■続けて幸運ロールをして、成功しなかったものは電車の中をずるずると移動するアブホースの落とし子を目撃する1/1d8のSANチェック(二度目の探索者は0/1d4に軽減)
○駅内部
古びた待合の長椅子が4つ置いてある。無人駅で、駅員の控室のようなものはあるが、特に人影は無い。
■目星→「忘れ物入れ」という箱のなかに手帳を発見する。付箋がたくさん張ってあり、「きさらぎ駅」についての情報がまとめてあるようだ。
雑誌に書いてあったのと同じ話、それにプラスして、「きさらぎ駅二人目の報告者」という新しい情報が得られる。
「一人目のケースから約一年後、きさらぎ駅に二人目が迷い込んだ」
「今度はツイッターを使用して一連の報告をしているが、誰にも会わず何ごともなくトンネルを潜り抜けて現実に戻ってきたようだ」
目星成功者は同時に、駅員の控室から裏口の鍵を入手する。
駅には出入口が一箇所しか無いが、その出入口の外には人影のようなものがたくさん見える。
■聞き耳→「食べ残しをもらう」「早く終わらないかねえ」「早く食べたいねえ」
■聞き耳成功したらアイデア→この「食べ残し」が人間の死体であることに思い当たって、リアルな想像そしてしまい、SANチェック0/1d2
裏口らしき扉は、駅員の控室を出てベンチを通り過ぎた奥にある。
鍵を開けると、外は夕暮れで真っ赤に染まり、不気味な様子だ。入り口付近には「こちらがわ」の存在が集まっているため、気付かれずに駅を出るには<忍び歩き>を成功させる必要がある。
■忍び歩き→成功で誰にも気付かれずに駅を脱出できる。道なりにすすめば分かれ道に出る。
失敗した場合、ゾンビが探索者たちを追いかけてくるだろう。
ゾンビ(1/1d8のSANチェック)
STR:14 CON:15 DEX:7 SIZ:13
HP:14 DB:1d4
噛み付き30% 1d3+DB
大きな棍棒25% 1d8+1+DB
*装甲はないが、貫通武器は1しかダメージを与えることができない。
(本来ならば通常攻撃のダメージも半分しか入らないが、KPの裁量によっては理由をつけてすべて入るようにしてもよい)
ゾンビはDEX7なので、対抗ロールによって逃げることも可能。その場合探索者たちの半数が成功すればにげきれたことにする。
戦う場合、KPの裁量によって数を増やすことは可能である。
○分かれ道
駅を後にして、探索者たちは分かれ道にでる。
看板には「←村 線路→」とある。
○村へ行く場合
バンダナで口元を隠した時任がいる。
「ここにいるかと思ったが、会えなかった」
「俺は先に行く。路線のほうも探さなければ」
と、すぐに立ち去ろうとする。
もし探索者たちが時任にもう少し情報を貰いたいと思う場合、<信用>でロールできる。<信用>が誰も無い場合は、<幸運>で探索者の半数以上成功すれば同様の結果を得ても良い。
■信用→成功した場合は、時任は探索者たちの様子に自分の過去を思い出し、言葉少なに「自分は一度ここへ来たことがある」と白状する。もし車両で写真を拾っていなかった場合、アキエの写真を見せてもらえる。
「一度は脱出したが、アキエは喉が渇いたと言って、ここで水を飲んでしまった」
「アキエを取り返したい。そのために探している。もし見かけたら教えてくれ」
*電車で写真を拾っている場合、それを返せば、お礼にと「魔術を施した短刀(1d4ダメージ)」を一つくれる。アブホースの落とし子には、これでダメージを与えることが可能だが、戦闘はしなくてもしてもよい。
*もしアブホースの落とし子を倒した場合、1両目へ行くと、色の浅黒い不思議な男が立っている。彼は「ナイ」と名乗り、「もしもこの世界から出たいなら、トンネルを抜けると気に振り返ってはいけませんよ」と笑うだろう。
時任が去ってから、改めて村を探索する場合
■目星→何かの肉の残骸や、骨などが見つかる0/1d3のSANチェック。どうやら迷いこむ人を餌としているらしい。
■聞き耳→成功者は村外れの森のほうからかすかな音を拾いあげる。誰かが歩いているような音だ。
この足音の主を探すなら、それがかなり外見が崩れた「アキエ」さんであることが分かるだろう。彼女は半分ゾンビになりかけているため、恋人である時任に今の姿を見られたくなくて隠れていた、という。
「あの人に知らせないでください、お願いです」と懇願する。
■説得→探索者の中に<説得>を試みたいという者が居れば、成功した場合「ほんの少し、会うだけなら」と時任に会うことを了承してくれる。その際、顔を隠すものを要求される。布や包帯、電車で拾ったマスクなど、余っているなら差し出すと良い。もし余っていない場合は、「この顔では会えません」と断られてしまう。
○線路
三度、時任に会う。
★アキエを連れてきた場合
時任は恋人の出現に驚きつつも喜び、二人で話をするために場所を変えるだろう。
その際、以下の情報を探索者たちに教えてくれる。
「ここから出るには、線路に沿って歩いてトンネルを抜ければいい」
「ただし、そのさい何があっても振り返ってはならない。トンネルが見えてきた瞬間から、絶対に振り返らないように気をつけること」
「もしも今までここの住人の前で本名を名乗った事がある場合、もしくは素顔を見られた、こちらの食べ物を口にした時には、その人物は短刀を手放さぬように」
「これは自分が持ってきたものだが、君たちにあげよう」と言ってみみせんを1つくれる。SANが不安な人がいたら、1人はこれをつけてトンネルに入ってもいい。
*写真を渡していなくて短刀をもらえていなかった場合でも、アキエを連れてきた場合はここでもらえる。
★アキエの場所を教える場合
時任は喜んで村に戻る。その前に、
「ここから出るには、線路に沿って歩いてトンネルを抜ければいい」
「ただし、そのさい何があっても振り返ってはならない。トンネルが見えてきた瞬間から、絶対に振り返らないように気をつけること」
「もしも今までここの住人の前で本名を名乗った事がある場合、もしくは素顔を見られた、こちらの食べ物を口にした時には、その人物は短刀を手放さぬように」
をちゃんと教えてくれるが、写真を返さずに短刀をもらっていなかった場合は、ここで短刀をくれることはない。
★アキエの意志を尊重し、何も言わない場合
「見つけるまで俺は戻らない」と言って、時任はそのまままたどこかに消える。
■<説得>に成功した場合、一緒に戻ってはくれないが「このまま真っすぐ歩いて、振り返らずトンネルを抜けろ」とさらっとアドバイスだけはくれる。
○トンネル
探索者たちはトンネルを抜けることができれば元の世界に戻れる。
路線を歩いていると、背後から、太鼓と鈴の音が聞こえてくる。これは徐々に探索者たちとの距離を詰めてくるだろう。
すぐに、トンネルを見つけることができるだろう。
■目星→暗くて中はどうなっているのかさっぱり見ることができない。並んで4人くらいなら歩けそうな幅がある。
中に入るなら、KPは裁量により、以下のイベントを起こす。
一つしか起こさなくてもいいし、全部起こしても良い。
1・時任の声で「おおい、待ってくれ、俺も一緒に行くよ」と背後から呼びかけられる。
無視していると、その声は徐々に不快な不協和音を伴い、「なぜ答えない」「返事をしろ」としつこく呼びかけ続ける。それでも無視していると、「 時 任 は 死 ん だ ぞ 」と酷く陰鬱な声で告げられ、それ以降声は止まるだろう。この陰鬱な、この世のものとは思えない声を聞いた探索者たちは、0/1d2のSANチェック。
2・突然、首に誰かの手が触れる。それはねっとりと探索者たちの首を擦るが、酷く冷たく、触れられると鳥肌が立つおぞましさを感じる。しばらく耐えればそれは跡形もなく消えるが、さわろうとしても首には何もない。0/1d3のSANチェック。
3・突然、酷くおぞましい匂いが探索者たちを包む。それはあの車内で感じた、むせ返るような血の匂いである。背後からはびちゃびちゃという音が聞こえてきて、何かが確実に探索者たちのすぐ後ろにいることを感じさせる。
■聞き耳→成功者は「待ってくれ」「置いて行かないで」「痛いよ」「嫌だ、帰りたい」「ずるい」「なんでお前たちだけ」「連れて行け」と恨み言を言われる。
匂いだけなら0/1d3のSANチェック。聞き耳が成功していれば1/1d3+1。
*このトンネル内では、他にも思いつくイベントがあれば付け足して構わない。
しばらくすると、トンネルの出口が見えてくる。その光の中央には、色の浅黒い美男子が立っている。
*もし車両の1両目に行ったなら、彼の名前が「ナイ」であることを探索者たちは知っているだろう。
「お見事です。よくぞ無事にここまで来ましたね」
と男は笑う。
「私の名前はナイ。無事にここまで辿りつけたあなた方を、車でお送りしましょう」
探索者たちの反応を見て、もしも本名を名乗ったPCがいたら、チェックする。
★今までこちら側の存在に名前を聞かれたPC,素顔を見られたPCが居れば、その人たちは「ナイ」の言うことに逆らうことができない。強制的に車に乗ってしまう。
★もし上PCが「時任のくれた短刀」を持っていた場合、強制的に車に乗ることはない。
ナイは探索者たちを車に誘う。道はすっかり夜で、周囲は静まり返っている。
○車に乗った場合
車内で水やお菓子をナイに進められる。名前を名乗らなかった人間も、この車に乗ると本名を知られてしまう。
「それなりに楽しめましたが、やはりこの程度ですね」
とナイは笑う。
「つまらないので、あなた達には次の舞台装置になっていただきましょうか」
ナイはそう言うと、姿を恐ろしいモンスターの形に変えるのであった。
ニャルラトテップの姿を目撃した探索者たちは、1d10/1d100のSANチェック。
発狂したPCはそのまま連れ去られるが、発狂を免れたPCは車から転げ落ちることも可能。(その場合は1d6+1のHPを喪失する)
○車に乗らなかった場合
ナイはさほど気にする様子もなく、「そうですか、ではお気をつけて」と見送るだろう。
暗い夜道を歩いていると、遠くから時任のものと思われる悲壮な悲鳴が響き渡る。それは確実に死を意味する声であり、ゾクリとするほどの恐怖を含んでいた。1/1d3のSANチェック。
だが、その悲鳴が途切れると同時に、ぐらりと視界が揺れ、探索者たちは夜の駅前に座り込んでいた。見上げればそこは、見知った路線の途中駅。自分たちだけではなく、数多くの人間が行き交っている。
生還を果たしたPCたちは、1d6のSAN回復。
アキエと時任を会わせた場合(アキエの場所を教えただけでも)1d3のSAN回復。
ゾンビを倒していた場合1d3のSAN回復。
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