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19 March

シナリオ【箱の中】

いとこから面白い廃屋の話を聞かされる。
何でも昔イケニエ伝説の舞台となった村で、トコヨミと呼ばれる司祭の家だったという建物を、祖父から譲り受けたのだという。
「ちょっと変わった建物で、なかなか面白いよ。ホラースポットだから、民宿にでもして客を取ったら儲かるかも?とりあえず、内装をかえて別荘にしようと思うんだけど、ちょっと手伝わない?焼肉おごってあげるからさ」
などと誘われ、友人らを連れて手伝いに行くこととなった。

・CoCによくあるタイプのクローズドモノです。
・多少のリアル謎解きがありますので、KPは柔軟にヒントを出すなどして対応してください。もちろん難易度によっては敢えて隠したり、いくつかの要素を追加・削除等自由にアレンジしてください。



1d100で一番大きな数字を出した人を、その別荘の持ち主代理とする(PC1)。PC1にはその家の「すべての部屋の鍵」が与えられる。
鍵にはシールでどこの鍵なのか記載があるが、金と銀の鍵2本だけどこの鍵だか書いてない。
この2本の鍵について、PCは「くれぐれも他人に渡さないように」と従兄弟にくぎを刺されているが、くぎを刺した本人もなぜなのかは知らないらしい。ただそう伝わっているから、とのこと。
血筋の人間に反応する特殊な魔術がかけられている。他人が使って街頭の部屋を開けようとすると、鍵は燃え落ちてしまい、失われる。


概要:
別荘の持ち主の祖先、邪神を信仰し魔術を研究していた。ツァトゥグァの恩恵を得るため、交信を図ろうと試みたのである。だが儀式は失敗し、無形の落とし子が現れ、イケニエを貪り、また食べきれぬイケニエをゾンビへと変えた。だが、儀式が不完全な形で終わってしまったせいなのか、落とし子は夜しか活動できない。そのため、昼間のうちに対策を施し、なんとか応急処置的に地下に封じ込めた。
その後、イケニエたちが夜になると活発に動き回るのを封じるため、トコヨミという魔術師が見張り役としてその地におかれ、イケニエたちを抑えていた。だが時間がたつとともにその役割も薄れ、今ではほとんど廃墟と化している。
探索者たちはこのトコヨミの館を訪れる。館にはいくつかのルールがあり、それを守ることでイケニエから身を守れるが、館の今の持ち主はトコヨミを知らない為、禁を犯してしまう(日が暮れてから、外へと続く扉を開けてしまう)。
正しい場所で夜が明けるのを待つ以外に、生き残るすべはない。
*KPは、PCに常夜見の地元出身者がいないように制限すること。


導入
PC1は、いとこから面白い廃屋の話を聞かされる。何でも昔イケニエ伝説の舞台となった村で、トコヨミと呼ばれる司祭の家だったという建物を、祖父から譲り受けたのだという。
「ちょっと変わった建物で、なかなか面白いよ。ホラースポットだから、民宿にでもして客を取ったら儲かるかも?とりあえず、内装をかえて別荘にしようと思うんだけど、ちょっと手伝わない?焼肉おごってあげるからさ」などと誘われ、友人らを連れて手伝いに行くこととなった。
(探索者たちが館についた後豪雨になる予定なので、そこで雨宿りに紛れ込んでもいい。最寄り駅は3時間に1本ほどしか電車の来ない田舎。到着は午後3時頃がよい)。
探索者たちが屋敷につくと、中はそれなりにきれいになっている。後で着くといういとこを待つが、そのうち豪雨になり、電話がかかってくる。
「この雨で道が水没している。今日はそちらに行けないかもしれないが、食糧は置いてあるはずなので、泊まってくれ」
その後落雷で電話線が切れ、連絡手段を失う……。


流れ
●館到着までに得られる情報
・常夜見について(話を聞いた時点で一般的にPCはこの土地については知らない)
出発前に希望があれば調べることは可能である。
*ネット / 図書館情報(技能ロール:図書館)
○いつの間にか忽然と地図から姿を消した、謎に包まれた土地。昭和の終わりまではトコヨミと呼ばれる司祭がひっそりと住んでいたが、最近はその館も無人となっている。
○一晩のうちに村人の半数以上が忽然と姿を消したという「事件」が過去に起こっているらしい。広間で何らかの儀式の形跡があり、生き残った人々は口々に「イケニエにとられた」と口にした。だが、死体は発見されなかった。

技能「オカルト」をもっている探索者は、オカルト成功で以下の情報を得る。
○ホラースポットとして有名。「ガチでやばい」とのうわさがあり、掲示板などでは報告者失踪の常連。特に夜はかなりやばいらしく、リアルに失踪者も出ている。肝試しに行った人々も「この世のものとは思えないものを見た」と言う報告談多数。トコヨミが一本道にバリケードを作ってからは、侵入が困難になって報告例も減った。私有地なので警察騒ぎになったことも。

*もしクリティカルが出た場合は検証サイトにて、
「この土地では邪神崇拝があった事実がある」「排他的で、独自の文字を使っていた」などの記載も発見する。

・行方不明者について
「いる」ということは確かであるが、その家族などから事情を聴くことは不可。


屋敷の外観(駅~屋敷は徒歩で15~20分ほど)
・外には無数の足跡やバリケードへの落書きなどが見受けられる。村といえど他に家屋はなく、館だけがひっそりとたたずんでいるようだ。少し歩けば海に出るが、崖が危険なので今は立ち入り禁止。反対側は鬱蒼とした森。
昔、村があったとは思えないほど木々が生い茂っている。

・館
立派な洋館だが、どうも作りがおかしい。二階部分がガラス張りで、中が丸見え。外から上れる梯子まであり、木製の回廊がついている。二階は広いリビングのようだ。一階部分は普通なので、余計にちぐはぐに見える。
知識ロールに成功したら、この家が建築法的にかなり無理やり立てられていることがわかる。
聞き耳ロールに成功すれば、遠くに雷の音が聞こえ、もうすぐ雨が降ることを知る。


館の中(このタイミングでは屋敷はPC1の従兄弟の持ち物なので、大規模な捜索はできない
*探索者たちが中に入ると同時くらいに雨が降り出す。
1Fマップ

2Fマップ


*探索しようにも部屋数がとても少ない。特に客間がないため、ひょっとして二階で寝なければならないのではないかという状態。
一階には客間と台所、ダイニング、風呂、洗面所(トイレ)、物置と書斎がある。
地下への扉もある(銀の鍵)
しかし、この時地下に入っても灯りもなく足場も悪く、洞窟のようになっているということがわかるだけである。かなり深そうな穴もあり、危険なので入らないようKPは促すこと。強行しようとするPCが居た場合、容赦なく穴に落としてHPにダメージを負わせる。

この時点で時刻は午後4時。夕飯は食べていないが、食糧はキッチンに用意されている。

・この時点でわかることは以下の通り。
*暗号文=意味は分からないが、外国語とも異なる形状の文字。常夜見の老人たちが昔使っていた現地語。当然探索者たちは読むことができない。後でNPCが合流するか、NPCがゾンビに殺されて暗号解読の必要性が高まるまで謎のまま。

目星成功で暗号文のあるところは暗号文を発見させる。

玄関:暗号文がほってあるが、この時点では意味は分からない。KPは玄関に古ぼけた靴箱があることを描写しておくと良い。
*下駄箱はグラグラしていて不安定そうだ。ただし、従兄弟が合流するまでは動かしたりはできない。

台所、客間: 極普通の台所、数日分の食料が用意されている。厚いキッチンマットが敷かれている。客間と台所はつながっている。客間の柱には暗号文があるが、この時点では読めない。

風呂: 古いが普通に使える。ただ、シャンプーなどの消耗品はなく、ここで夜を明かした人が長いこといないのだということがわかる。ここにもちょっと大きめな暗号文があるが読めない。
*タイルの真ん中のあたりに、直径40センチほどの浅い円形のくぼみがある。

洗面所:極普通のトイレ。水洗式になって間もない印象。本当に何も出ないハズレ部屋。

物置: ただ広いだけで何も無い物置。無造作に積み上がった箱の中身は書類や本が多い様子で、階段側に寄せられている。古く朽ち果てていてどろどろ。ここにも大きめの暗号文があるが、それは書斎にあるものと全く同じ文面である。
*また、この部屋にも床に直径40センチほどの円形の溝がある。

書斎:この家で一番まともに手入れされている場所。本棚と机がある。物置と同じ文面の暗号文が壁にある
 +本棚に目星→民話や伝承、地方の方言や風習に関する本が多いが、手当たり次第に集めたという感じで節操が無い。とくにこだわりや法則もなさそう。
  +机に目星→手記や日記の類であろう手書きの本や紙が多いが、どれも謎の言語で書かれていて解読ができない。古文ともまた違うようだ。
暗号で書かれた、他に比べれば比較的新しそうなメモを入手する。どこから落ちたのか分からないので持って行ってもらうのが良いでしょう
*この部屋の絨毯の下にも、直径40センチほどの円形の溝があるようだ。

二階 : 全面がガラス張りになっているだだっ広い部屋。
ベランダのつもりなのか、木製の通路が外側をぐるりと取り囲むように設置されている。だが、柵がないので大変危ない。内装はテーブルとカーペット程度。一階に部屋がなさすぎるので、探索者はここで寝るしか無いかもしれない。だが、周囲はただ荒廃した土地と森だけで、とくに恥ずかしがる要素もない。
柱、天井付近の横木に読めない文字が書いて有るが、現時点では探索者には読めない。

・夜6時
いとこからの電話
「この大雨で川が氾濫し、橋が沈んで渡れない。申し訳ないが合流は明日になる。家の中の物は自由に動かしたり使ったりして構わない」
この電話を受けたあとの7時までの時間は、料理と食事に当てることとする。
空腹補正をなくすと言う意味もあるが、次のイベントを起こす時に全員が同じ空間に居るためである。もちろん幸運ロールで料理の味を決めたりするお遊びを取り入れるのも問題ない。

・夜7時
落雷が起き、ブレーカーが落ちる。PC1はこの家が多少の自家発電が可能でブレーカーを上げて切り替えることが可能だと知っている。
ブレーカーの場所は玄関。(これ以降、固定電話は使えない。もちろん携帯の電波も入らない)

ブレーカーを上げに行く?
→行くと、ノックの音。「すみません、地元のものなんですが、雨宿りをさせてもらえませんか?山菜を取りに来て山小屋にいたんですけど、この雨で浸水してきてしまって、仕方なしに出てきたんです」と声をかけられます。
ドアには覗き穴などはありません。

扉をあけない→争うようなやりとりが聞こえる。それでも扉を開けず声の主を見捨てるのなら、青年の断末魔の悲鳴が聞こえて、ドコッと扉に何かたたきつけられる。PCたちはたたきつけられたのが声の主であると直感的にさとるだろう。明らかな惨劇の物音に、SANチェック1/1d4+1

扉をあける→人のよさそうな青年がずぶぬれで立っている。「ありがとうございます、たすかりま……」まで行ったところで、背後からゾンビに捕まり、羽交い絞めにされる。突如として人間に襲いかかるゾンビを見たものは、そのおぞましさにSANチェック1d3/1d8

ゾンビは青年の首をへし折ろうとしている。どうする?
見捨てる→扉を閉めれば断末魔が聞こえてさらにSANチェック1d3/1d6

助ける→STR抵抗ロール(ゾンビのSTRは元人間なので3d6)何人かがかりでもOK
失敗→目の前で首をへし折られて青年が死ぬのでSANチェック1d3/1d8+1
成功→青年を助けることに成功した!
(ちなみに青年のSANは50なので、化け物に殺されかけた1d3/1d10のSANチェックを振っておく

扉の鍵はPC1が持っている。鍵をかければゾンビは追ってこないが、かけなければ入ろうとするだろう。戦闘イベントにしてもよいし、STR対抗でドアを押さえてPC1を呼びに行っても良い。

*このNPCはお助けキャラなので、なるべくPCたちが彼を助けるようにKPは誘導してください。
万が一NPCを助けなかった場合、暗号の解読は外で死んでいる彼の荷物をあさり、解読表を手に入れなくてはできません

NPC青年:山吹透/28歳
STR:9 CON:15 DEX:10 POW:10
APP:12 SIZ:15 INT:17 EDU:11
SAN:50 アイデア:85 幸運:50 知識:55
地元の農家の青年。山には山菜採りに入った。地域の伝承に詳しく、地域語を読める。
技能
応急手当:50% 登攀:60% 目星50%
説得:70% 値切り:50% 地質学:56%
運転:70% 重機械操作:41% 追跡:50%
忍び歩き:50%
NPC山吹は、狂気に陥った場合でも情報をPCたちに伝えなくてはなりません。そのため、泣き続けるとか、誰かに執拗に固執するとか、強迫観念にかられた行動をとるなどの狂気に固定するようにしてください。

*スイッチを入れれば電気は付きます。客間では明るくなった瞬間、窓にへばりつくゾンビが間近で目撃されます(SANチェック1/1d8)
(二度目の目撃者は0/1d4)
鍵さえかけてあれば、ゾンビは無理やり中には入ってこない。

聞き耳→外壁をたたく音や、どこかの扉をたたく音が聞こえる。前もって地下室に行った場合は、地下からも叩く音が聞こえるとわかる。
ゾンビに目星する場合→服は鎖落ち、骨と皮ばかりの人間の形をしたものです。目は抉り取られ、口には歯もありません。それはどう考えても人工的にえぐられたものだとわかる。気づいた人はSANチェック1/1d3+1

*ここでNPCを見捨てた場合は、PCたちは地域語の暗号を読むために、外の青年の死体を漁る必要があります。
書斎で図書館を振るなどして「地域語」についてPC1たちに教え、あの青年が地元の人間ならば解読表を持っていないか、と誘導します。この情報は事前に書斎を探索した際に与えて置いてももちろん構いません。
例:この地域では古くからよそ者に対する警戒心が強く、独自の言語を用いて外に情報を漏らさぬようにしている。地域の人間ならば、その解読表を持ち歩いている可能性が高い、などの情報を与え、アイデアなどで彼が地元のものだと名乗っていたことを思い出させるなど。
こうすればどのみち青年の荷物を漁るために外に出なくてはならなくなり、扉を開けるという禁を破れる。

*山吹青年は地元の伝承に詳しく、読めないメモを読めます。
玄関に彫ってある暗号に気づいて読むか、客間に通している場合は客間の文字列を読ませましょう。
「ここらはよそ者への警戒心が強かった土地で、よそ者に知られず会話するために暗号のような独特の言葉が発達しているんです。今じゃ使ってるのはじじばばだけだけれど、それでも良く目にするんで、俺も読めますよ」
書斎で拾った「比較的新しいメモ」を見せると、答えを教えてくれる。「夜が更けてからこの家の扉を開けてはならない。イケニエが活性化する」



書斎の日記を読ませる場合、山吹はSANチェックを行い、1d3/1d6SANを減らし、4%のクトゥルフ神話技能を得る。もちろん狂気に陥った場合はそのように。情報は伝えるように務めるが、NPCの口から内容を聞く場合、PCたちも同様にSANを減らし、神話技能を得ること。
NPCが読み終わるまで1時間の時間経過を必要とします。
書斎の日記からわかることは以下のとおりです。
・イケニエとは、ある邪神を呼ぶために用いた人間である。
・それらは叫ばぬよう舌と歯を刳り、邪神に怯えぬよう眼球をえぐった。
・長い間、途切れなくそれらを神に捧げ、準備を整え、いざ接触の儀式を執り行ったが、不完全な形で終わらざるを得なかった。
・司祭や権力者たちはその落とし子に屠られ、さんさんたる有り様である。
・だが接触の儀式が中途半端に終ったおかげで、相手も夜の間しか動くことができないようだ。
・我々は昼のうちにそれらを地下に閉じ込め、作を練るつもりだ。どのみちあれが一番安全に過ごせるのも、地下なのだから。
・太陽の光さえあれば、それらは恐るに足らぬ。イケニエは朝日を浴びれば消えるが、「あれ」は自ら地下へ戻る。
・万が一夜に扉をあけて外の空気を入れた場合、守りが弱まり地価のアレが這い上がってくるだろう。だが、アレは太陽の間の扉にふれることはできない。イケニエを使って開けさせる可能性はあるが、その場合はあるべきものをあるべき場所へ置けば、イケニエは太陽の間に興味を示さない。あれらには命令を聞くほどの知能はない
・間取りに従え


ヒント群(再探索により、最初に得られなかった情報が得られるようになります)
*台所(キッチンマットをめくると地下収納)
→地下収納【壺】「右」という和紙が貼ってある。はがして中を見た場合、人間の眼球が薬漬けで保存されている。(SANチェック1d3/1d6)すさまじい量であり、かなり重い。(STR10以上で持ち上げられる)
客間の暗号文は「台所に右がある」というヒント文

*トイレには特に何もない。

*お風呂場の柱の暗号文は「口の間」
目星に成功する→換気扇のわずかな隙間からじっと覗き込む空虚な瞳がある。声を出しているわけではないのに、唸るような音が聞こえ、それが「カエセ……カエセ……」とおぞましくあなたに呼びかける。1/1d3のSANチェック
タイルの真ん中辺りに直径40センチ位の円形の溝がある。

*玄関→扉の暗号文は「夜には開けるな」という警告文
    靴箱をずらすと地下収納。【壺】「は」を入手。あけた場合は、ぎっしりとつめ込まれた「歯」を見てしまい、台所同様にSANチェック(1d3/1d6)。開けない場合はなし。

*物置→暗号文は「目の間」である
階段寄りの壁に隠し扉があり、階段下が収納スペースとなっている。これは階段を調べて「下が空洞」と気づいてもいいし、物置の荷物に目星して「動かせそうだ」と気づかせても良い。
→「右」「左」と書いてある扉がある。片方はずれだ。山吹青年が一緒に居る場合、扉の模様が暗号になっているので読んでくれる。暗号文「足りないものは何?」
もちろんNPCが一緒じゃないばあいは、唯の模様だと思って気づかない。
上の扉→「右」とかいてある。
下の扉→「左」とかいてある。
この場合は「左」が正解。開ければ「左」という和紙の貼ってある壺を見つけるが、中身は左目なので、右目と同じように処理する。開けたらSANチェック1d3/1d6、目が二度目の場合は1/1d3に軽減。

・「右」の扉を開けてしまった場合は、ひどい悪臭を放つ「赤黒い何かがこびりついた刃物や工具」がどさどさと落ちてきて当たる。においだけの人はSANチェック0/1d3、それに当たった人は赤黒いものが血のなれの果てであることに気付く。1d2/1d4+1とHPにダメージ1d3
この部屋の床の真ん中辺りに、直径40センチ位の円形の溝がある。
*書斎→カーペットの下に直径40センチ位の円形の溝がある。
三つをそれぞれ正しい場所に置くことができたら、2階に閉じこもった時にドアを破られることはない。

壺はそれぞれ直径40センチくらい。場所は
目の間:物置に「右」、書斎に「左」
口の間:浴槽に「は」
それぞれを設置すると、2階の扉に内側から鍵をかける鍵穴が出現する(金の鍵)。

2階:暗号文は「太陽の間」。梁にある暗号文は呪術的な呪文で、山吹にも「まもりの言葉か何か」としかわからない。
カーペットの裏に札。普通に読める文章で「光を待て。ただ、ただ、朝を待て。新しい日を迎える前に箱に入れ。神はこの箱には触れられないだろう。だが油断はするな。イケニエはヒト、ヒトはイケニエ」とある。

KPは細かく時間を告げて、タイムリミットが0時であることを探索者にそれとなく伝えましょう。0時までに2階の部屋に入り内側から鍵をかけなかった場合、探索者たちは落とし子に食べられてゾンビになります。
それぞれの探索にかかる時間はKPの裁量に任せますが、NPCの青年が現れるイベントが夜7時とすると、1つイベントを起こすごとに30分ずつ経過させればだいたいギリギリの時間帯になるかと思います。

タイムリミットが近づいたら、以下の様なイベントを起こして探索者たちを急かしましょう。

*地下から暴れまわるような音が聞こえてくる。地下の扉が破られようとしているのだろうか。この世のものとは思えないその蠢きは、ひどく、あなたの神経をさかなでした。0/1d3

*もしも夜に地下室へ行こうとするPCがいた場合、鍵を開ける前に聞き耳を振らせて、この世のものとは思えない冒涜的なうめき声等を聞かせ、SANを適当に減らしてください。開けた場合は落とし子が現れて探索者たちを食べてしまいますので、できるだけ開けさせないよう注意を願います。

*壺の設置後
二階へ行く場合、アイデアか目星を振らせて、二階のドアに「内側から」鍵をかける鍵穴を見つける。ドアノブは金色だと伝えて、金色の鍵を使うよう促します。この鍵穴は、壺を3つきちんと設置しないと出現しません。もし壺を設置せず鍵をかけられなかった場合、2階に閉じこもってもゾンビによって扉を破壊されます。

*探索者たちが鍵をかけて閉じこもった瞬間、地下の扉が破られる音が響き渡る。鍵をかけなかった場合、まっすぐ部屋にやってこられてBADEND。
 鍵をかけていた場合は、一階をしばらく歩きまわる音が聞こえたあと、音が外に出たと描写しましょう。

*その後、ずりっ、ずりっと音がして、二階の回廊にそれが現れる。ガラス張りの壁に、ニュるりと現れたそのうごめく粘液のような姿。ぞろぞろとゾンビを引き連れ、それらの暗闇の目が一斉に探索者たちに向けられる。その、ひどく空虚な空洞に見つめられた探索者たちは、異様な落とし子の姿と共に大変なショックを受けるだろう。
1d3/1d20 のSANチェックです。
*目をとじるなどと探索者が宣言しないうちに、すばやく落とし子を回廊に登場させましょう。ここが一番の発狂ポイントです。


ゾンビがしつこくガラスをたたいてくるが、破られることはない。
更にSANを削りたい場合は、ここでゾンビたちのうめき声や落とし子がゾンビを食らう様子などを描写してSANチェックを追加しても構いません。
*どうしてももっとSANを削りたい場合、NPCの従兄弟を到着させて目の前で殺しましょう。1d8/1d20位削げたらいいな。

午前3時ごろになると、それらの音も消え、落とし子もゾンビもぞろぞろと森へと消えて行く。朝日が昇る前に部屋から出たらデットエンド。
激しく降り注いでいた雨も止んだ。
午前5時をまわるころ、朝日がようやく昇り、その光が集まる。眩しい陽光が一閃、常夜見を貫く。わあああっと何かの音が、何かの断末魔が、駆け抜けては消えていく。沈殿する闇を引き裂いた太陽光は、あなたたちのいる2階の窓ガラスに集まるかのように、眩しく光り輝き朝を伝えた。
おめでとうございます、シナリオクリアです。

SANの回復
生存で1d6
山吹の生存で1d3
壺を全部開けて中を見た場合はさらに1d3
落とし子の姿を見た人は1d3

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