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22 November

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22 December

CoC【シアワセと云ふ名の傀儡】

その坂の上の屋敷には、妙な噂がありました。なんでも、住んでいる若きご当主の気が触れているというのです。町医者を呼びつけましてはご婦人の肖像画を差し出し、「妻の具合を見てください」と無理難題を云うのだとか。ええ、ですからあなたがこの町に不幸にも診療所を構えたとあらば、呼び出されるのは当然の事。極彩色の、目もくらむようなふすまの先に、その絵と当主は居るでしょう。願わくばあなたが、正気のまま屋敷から戻られますよう祈ります。 
それでは、いってらっしゃいませ。 


――CoC【シアワセと云ふ名の傀儡】 


彼の人の幸せに、四つ合わせて四季を揃えて。




【概要】

円谷春臣はその屋敷のただ一人の主であった。
古よりの言いつけを守り、ただ一人でその屋敷に住み続けていた。時折裏門に、人には言えぬ奴隷を乗せた商人の馬車が乗り付ける、ただそれだけの人生であった。
春臣の屋敷は代々アイホートのため雛を植え付ける奴隷を定期的に捧げていた。円谷家の繁栄はアイホートのおかげであるという信心の元、定期的にアイホートと交信し、一定数決められた人間を犠牲としてきた。
血塗られたその歴史故に、屋敷に住むのは当主のみと定められ、妻子は別宅へ住まわすのが通例であった。しかし春臣は階段から転落し足を折ったことにより、一族の禁を破ってメイドを雇う。

向井四季。それが彼女の名前だった。


怪我が治るまでの短期間なら問題あるまいと雇った彼女に、春臣は激しく恋に落ちる。そして彼女もまた、人慣れず不器用な春臣に恋をしたのだった。
この、実に不幸な事実は結果として、結婚を約束した二人を永遠に分かつこととなった。婚約を交わし結婚を決めた二人だが、円谷の血筋でない人間がその屋敷に留まることは、すなわちアイホートの雛を植え付けられることと同じ意味である。
婚姻届に印を押し、明日から夫婦と笑いあったその夜に、四季の体は無残に裂かれ、アイホートの雛は飛び去った。目の前で愛する女性を失った春臣は発狂し、四季を描いた唯一の肖像画を彼女本人と思い込むことによって、心の安定を得ている。

しかし、そうなったのは春臣だけではなかった。

その二代前の冬彦(戦前)も、腕を怪我して看護師を雇い、同じことになった。
春臣(戦時中)の二代あとの義秋(戦後)も、ゆくあてのない女性を受け入れて同じく。
そしてまたその二代あとの夏彦(現在)も、掟を迷信と破って同じことになった。
同じ「四季」という名前の女性に思い焦がれ、そして同じように彼女をなくした。円谷の家にかけられた呪いであった。そうして全員が、その失意のもとに自殺を計ったのだ。


しかし、長年に渡って雛を送り続ける円谷家に対して、アイホートは慈悲を授ける。
4人の魂を同じ空間に呼びつけ、彼らに彼女と永遠に一緒になる方法を授けた。それはすなわち、4人もアイホートの雛となり彼女と同じようにアイホートに仕えよ、という意味であった。すでに死んでしまった4人が雛となるには、相応の儀式が必要であり、相当数の生贄も必要である。そして雛となりえるのは一人だけだ。
4人はそれぞれ、最も適切と思われる人間を選び、この忌まわしい屋敷へと招いたのである。


3人を殺し、自分のいるべき場所に当主を置け
さすれば当主は雛となり、幸せになるだろう。


************


こちらのシナリオは、秘密持ちのバトロワCoCとなります。
一度だけオンセで回しましたが、これ以上如何ともし難いのでこのまま載せようと思います。が、バトロワなだけあって、死んだPCさんがかなり暇になってしまいますので、なれている方々がRP重視で遊ぶ時にでもどうぞ……。


******

探索者四人は、別々に呼びつけられる。
PCたちは同じ部屋に集められて遭遇するが、全員生きている年代が違う。PCたちがそれに気づき、正しい年代の部屋から外に出ない限りは屋敷から出ることはできない。

 □←夏彦の部屋
□■□←春臣の部屋
↑□←義秋の部屋


******

本シナリオの調査結果は、すべて秘話で行うこと

ハンドアウト

PC1:推奨職業/医者

開業するために引っ越した先の町で、あなたは気が狂っていると評判の元貴族に呼びつけられる。
季節は春、暖かな日差しのなか、屋敷へと続く道は桜がひらひらと舞っていた。
あなたを招いた当主は、うつろな眼差しで肖像画を差し出し、「彼女の心臓を動かしてください。報奨は何でもあなたの望むものを」とつぶやいた。

秘密:貴方は戦時中の町医者だ。
秘密裏に錬金術を学び、死んだ人間を生き返らせる研究をしている。こんな狂人の屋敷でなら、一人や二人死んだところで構わないだろう。あなたの使命は生き残って実験に使える死体を手に入れることである。
この秘密は自分から口にすることは出来ない。


PC2:推奨職業/なし

あなたは当主の持ち物であるいくつかの会社の内、一つに勤めている。研究職でもサラリーマンでも構わないし、店舗の店員でもなんでもいい。
ある日、自分の雇い主である当主に呼び出され、屋敷へと赴く。季節は夏。ジリジリと熱い太陽の日差しが、坂を焦がすように照りつけていた。
当主はあなたに一枚の肖像画の写真を見せ、「この絵と結婚したいのです。力を貸してください」とつぶやいた。

秘密:あなたは孤児であり、当主の亡き父親に拾われ、学校を出て職を世話してもらった経歴がある。
当主はあなたにとって血は繋がらないが弟や兄のようなものであるという思いが強く、亡き当主の父からも「あの子を守るように」と言い聞かされているため、どうしても力になりたい。
あなたの使命は、何を犠牲にしても当主の願いを叶えることである
この秘密は自分から口にすることは出来ない。


PC3:推奨職業/なし

あなたは超魔術的な小物や本を収集するコレクターである。その収集物の噂を聞きつけてか、とある屋敷の主から招待を受け、坂の上の屋敷にやってきた。
季節は秋、枯れ葉が色とりどりに坂を彩っている。
元貴族の男はやつれ果てた顔であなたを出迎え、一枚の肖像画を見せて貴方にこういった。「この絵の女性は私の妻です。彼女を動かすような魔術をしりませんか」

秘密:あなたは戦後動乱期の人間だ。

妹、もしくは姉である「四季」の突然の死に疑問をいだき、趣味のコレクションを利用して当主に近づいた。あなたの本当の使命は、何一つ残されなかった「四季」の形見に、せめてその肖像画を手に入れることである。
この秘密は自分から口にすることは出来ない。


PC4:推奨職業/なし

あなたは当主と中学までは友人であった。
久々に故郷に帰ると、突然に懐かしい元貴族の男に屋敷に招かれた。
季節は冬、霜の降りた寒い日のことだった。坂道は凍りついて居て酷く滑りやすい。
屋敷の主はどこかさみしげな笑顔であなたに一枚の肖像画を見せ、「彼女は生きている。わかりますか、生きているんです」とつぶやいた。


秘密:あなたは戦前の人間であり、自分の友人の名前が「冬彦」であることを知っている。
あなたは昔から変装が得意で、冬彦そっくりになることができる。今はよその街で犯してしまったとある犯罪(なんでもよい)から逃れるため帰郷しているが、できれば友人にかくまってもらいたいと思っていた。
あなたの使命は、冬彦に成り代わってこの屋敷の主となることである。
この秘密は自分から口にすることは出来ない。


******


特殊ルール
PCは以下の4つのうちから、70を上限として一つだけ好きな技能を「職業技能」としてとることができる。
・武道禁止


1:「護身術」

戦闘中にダメージをうけるごとに使用できる。成功失敗にかかわらず1d3のSANを消失する。
この技能に成功すると、ダメージを2軽減できる。ただし、ダメージを1以下にすることは出来ない。

2:「気合」

気絶の条件を満たした時、HPが1でも残っていれば使用できる。
この技能に成功すれば、気絶することなく戦闘を続行することが可能。

3:「報復」

戦闘中にダメージを受けるごとに使用できる。成功失敗にかかわらず1d3のSANを消失する。
この技能に成功すれば、相手に必ず「2」のダメージを与えることができる。
なお、報復ダメージに「護身術」を使った場合、ダメージは「1」に軽減される。

4:「奇術」

1度の戦闘で1度だけ使用することができる。成功失敗にかかわらず1d3+1のSANを消失する。
成功すればダメージロールをする時、ダメージに+3の固定値を付けることができる。この技能のダメージは「護身術」で軽減される対象となる。


*戦闘に勝利したPCには、プライズとして、鎮痛剤が与えられ、HPの8割まで回復できる。



■このシナリオでは、「自分の秘密を公開すること」で、シナリオ中一度だけ「どんな判定でもやり直す」ことができる。SANチェックでも攻撃判定でもダメージロールでも、なんでも振り治せるが、代わりに一度だけしか使えない必殺技。
■「秘密を公開」したとき同じシーンに居るPCには、その秘密が伝わる。


*****

前もって得られる情報や、導入中に質問などされた場合に与える情報
*春臣(戦時中)
・当主は一人で屋敷に住んでいたが、最近になって召使を雇い入れ、そしていつの間にかいなくなっていた。そのころから気の触れた言動が目立つようになってきたという。
・医者という医者を呼びつけて、肖像画を見せ「この女を生き返らせろ」と無茶を言うらしい。かと思うとしばらく話した後、「もういい」と突然話を打ち切り、屋敷を追い出される。
・呼ばれた医者の中には、何人か精神を病んだものもいるらしいが、詳細は誰も語りたがらず、あの屋敷に呼ばれると数週間のうちに町から逃げていくのだとか。
しかしPC1が開業する医院の土地は円谷の持ち物であるので、呼び出しに逆らうことは難しい。
*秘匿情報(手紙全文)
『 PC1 殿
 午後四時、坂の上の屋敷にて待つ。身一つで来られたし。ついに赤紙届きて時間なし、貴殿の隠したる研究に役立つ事案を用意している』


・夏彦(現代)
知識でわかっている情報は以下。
・大正時代に何らかの「不祥事」により貴族の座を追われたらしいが、冒涜的な魔術にかかわっていたとも、巨額の詐欺事件を働いたとも、軍部にたてついたともいわれ、なぜ「元貴族」となったのか原因ははっきりしない。
・一族の中には何人か気が狂って死んだ人間がいるらしく、遺伝的に精神が弱いのではと言われている。
・屋敷に引きこもっている当主だが、いくつかの会社を持っているため食うには困らない暮らしをしている。
*秘匿
『PC2君へ
 突然すまないが、君にどうしても頼みたいことがある。君のことは父からよく聞いていた。おそらく、こんなことは君くらいしか信じてくれる人もないだろう。仕事は抜けて構わない。午後四時、坂の上の屋敷にて待つ』


・義秋(戦後)
知識情報
・狂人を多く出している家として地元でも有名らしい。
・大体狂うのは男で、結婚直後だとか結婚直前が多い。
・大変見事な庭のある屋敷で、季節によって全く違う顔を見せるとか。
・それでもこの周辺の土地は大半が円谷の持ち物であり、地元民には頭の上がらない存在だ。
*秘匿
『 PC3 様
お忙しい中を、突然呼び立てて申し訳なく思っております。何分、時間のない身でありますので、ご容赦ください。
あなたの噂はかねがね伺っております。あなたもおそらく、当家に興味がおありでしょう。午後四時、坂の上の屋敷にてお待ちしております』


・冬彦(戦前)
・没落貴族とはいえ、地元にとって影響力は計り知れない家であり、本来は雲の上の存在。あなたも親しくはしていたが名前などは呼べるわけもないので覚えているかも怪しい。とかく、「円谷」という家を背負う人だった。
・円谷の家は、当主となったものが家族から離れて坂の上の屋敷に一人で住むのがしきたりであり、家族は別宅に住む。
・あなたの友人である現当主は、一つのものにのめりこむ性質があり、一度好きになったものは後生大事にするような男だった。
*秘匿
『PC4 君
久しぶりの挨拶が急な呼び出しですまない。君の現状については、失礼ながら調べさせてもらった。もちろん私は君の役に立つつもりだ。しかしかわりに折り入って頼みたいことがある。午後四時、坂の上の屋敷にて会おう』


*導入はそれぞれ行うこと。

PC1(戦時中)→ 当主春臣

○導入時にそれとなく匂わせること
 ・四季が結婚したその日に死んだということ。
 ・四季は使用人であったこと。
 ・庭には、彼女が好きだった八重桜が咲いている。
 *秘匿情報「戦時中の物資不足のため指輪を買ってやることもできなかった」など、時代を匂わせることは秘匿で。その他、戦時中を思わせる会話は秘話でいくらでも行ってください。

PC2(現在) → 当主夏彦

○導入(ry
 ・四季は結婚する前日に死んだ。
 ・彼女は同じく使用人であった。
 ・庭には、彼女の好きだったひまわりが咲いている。
 *肖像画は写真を嫌がる彼女のために描かせた。自分もコンピュータの類は不得意。現代を思わせる内容のことは秘話で。

PC3(戦後) → 当主義秋

○導入(ry
 ・四季は結婚の約束をした次の日に死んだ。
 ・彼女には家族がいたが、事情があって挨拶さえできていない。
 ・庭には、彼女が好きだったコスモスが咲いている。
 *兄、あるいは父親が遠方で戦死したとは聞いた。手紙は書いたが届いたかわからない。戦争についての話は秘話で。

PC4(戦前) → 当主冬彦

○導入(ry
 ・四季を娶るには自分の両親を説得するのが大変だった。結婚してから死んだ。
 ・使用人と結婚するというのはこの時代外聞が悪かったようだ。
 ・庭には彼女の好きだった椿の花が咲いている。
 *自分は戦争へいくことになるかも知れず、その前にと急いで結婚したのだが…。その次代の話は秘話で。


PC4人はそれぞれ、お茶を飲んだ後、酷い眠気に襲われて眠ってしまう。
目を覚ますと中央の部屋で、正方形のテーブルの四辺に一人ずつ座らされている。
それぞれの前には、呼び出された季節を意味する花が置いてある。
そしてそのテーブルはガラス張りになっており、中央に四季の肖像画が収められている。その上に一枚の紙切れ。

『四季を揃えて順に並べて、足りないぶんは客で埋めよ。古い方を一に合わせて、順に置くこと。
 幸せになれるのは一人だけ。屋敷から出るのも一人だけ。正しい扉を見つけよ』

中央の部屋では家系図のまとめのような本を見つけることができるが、中身は落としてぐちゃぐちゃになる。
拾い集めると、探索者たちが知っている「主」と同じ顔をした人間は4人居る。それぞれ古いものと新しいものはあるが、どれも白黒写真である。名前だけがこれではっきりする。
探索者たちの呼びつけられた季節は当主の名前と対応している。PC4だけは友人の名前を知っているが、他のPCは呼び出された円谷の当主の名前を知らない。
写真に対して目星を振る場合、「冬彦」の写真が一番古く、「夏彦」が一番新しい、程度の情報を与えても構いません。

もし肖像画に目星を振る人間がいた場合、その肖像画の女の腹を裂いて昆虫のようなものが飛び出してくる幻を見るだろう。(SANチェック0/1d3)

中央の部屋の周囲、4つの部屋を探索することで、それぞれの部屋の主の時代を知ることができる。扉には一切の印などは無い。

それぞれの部屋には布団が敷いてあり、人間が寝ているような盛り上がりがある。めくると、部屋の主の死体が横たわっている(SANチェック1/1d4)。奇妙なことに4つの部屋全てに同じ顔の死体がある。(2つ目の死体を見つけた時にSANチェック1d3/1d5、3つめ4つめはチェックなし)

それぞの死体は、自分の呼びつけたPCへ向けた遺書を持っている。
それぞれの部屋には外へと通じる扉があるが、鍵がなければ決して開かない。

春臣の遺書

「私を貴殿の椅子に座らせ、残りを客で埋めよ。儀式が済んだら欲しいものは持っていくがいい」
春臣の部屋を探索する
→目星 戦時中の戦況を伝える新聞が出てくる。
 ゾーキング→ゴミ箱の中に赤い紙を見つける。アイデア成功でPC1とPC3だけに秘話→赤紙。 PC2はどこかで見たことがあるようだが思い出せない。PC4なんだか全くわからない。

夏彦の遺書

「私を君の席に座らせ、残りを客で埋めて欲しい。それが私の心から叶えたい、ただ一つの願いだ」
夏彦の部屋を探索する
→目星 指くらいの長さの長細い金属が見つかります。 PC2はそれがUSBだと気づく。他のPCは全くわからない。
    天井の隅に、小さな黒い半円形のレンズのようなものが付いている。PC2だけそれが監視カメラであるとに気づく。

義秋の遺書

「私をあなたの席に起き、残りを客で埋めてください。その後は何でもご自由にお持ち帰りください」
義秋の部屋を探索する。
目星→布地の下に蓄音機を発見できる。みんなわかる!
   レコードもたくさんある。軍歌から動揺から流行歌まで色いろある。PC3にだけ、最近流行っている「りんごの歌」というレコードを発見できる。それが一番新しいレコードのようだ。
   PC2→ずいぶんレトロなチョイスだ。
   PC1→軍歌等は見慣れたものもあるが、馴染みのないものも多い。
   PC4→どれもこれも見たことがないレコードだ。形も知っているものと少し違うようだ。さすが金持ち。

冬彦の遺書

「君に全てを譲る。だから私を君の席に置き、他を客で埋めて欲しい。こんなことは君にしか頼めない」
冬彦の部屋を探索する。
目星→号外「ニ・ニ六事件」のチラシ PC4だけが、つい先日それがあって、自分もそれを持っている。
   他のPCは、過去にあった事件ことだとだということはわかる。


この遺書で、探索者たちは役目を果たせば自分の使命が達成されることに気づくはずだ。
PCたちは初めて人を殺したら(1d3/1d6+1)のSANを減らす。医者/あるいは殺人者などの場合は1/1d4に軽減する。
2度めからのチェックはない。


*PCたちがどこかの部屋を探索している→中央の部屋に戻る、のタイミングで、地下室のイベントを起こす。
誰かの椅子がおいてあった場所がぽっかりと穴を空けて地下室が現れる。暗い地下へ降りて行くと、一人の浮浪者が牢獄の中で暮らしている。
「何だ、お前たちは当主の代わりか?新しい住人でもなさそうだな」
彼は当主を「管理者だ」と言い、自分たちはここで死ぬためにくらしているのだと笑う。
(牢獄とはいえ、きちんと家具もあり、食事も出てくる生活は彼らには上等の部類。円谷家はこの地下の牢獄で、買い取った人々に雛を植え付け、きちんと孵るか否かを管理している)
目星をすれば、「●月▲日 失敗一人、成功二人」などという書付(管理表)が壁に書き込まれていることに気づく。
浮浪者は探索者たちの目の前で、雛を芽吹かせ、死ぬ。SANチェック1d3/1d5


テーブルに当主と客人を埋座らせると、テーブルがガタガタと震えだし、肖像画を切り裂いてアイホートの雛が出てくる。同時に当主の体を破って同じようにアイホートの雛が生まれ、そこに「肉の付いていない無数の足に支えられた
青白く膨らんだ楕円形のもの」が、ゼリー状の楕円形の目をあなた向けた。

アイホートを目にした探索者は1d6/1d20のSANを失う。


肖像画と死体から生まれた雛はアイホートに付き従って何処かへ消え、残された探索者はそれぞれの季節に対応した彫刻のついた鍵を見つけるだろう。
小さなアイホートとなった当主が、生き残った探索者に深々と無言で頭を下げ、鍵を差し出す。


外へ出られるのは、一人だけ。
外に出たら、自分の時代の当主の自殺死体を発見すること。
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